SNSのマーケティングを完全解説!【手法と企業の事例も紹介】

デジタルの進歩とともに、マーケティングの形も大きく変わりつつあります。SNSの利用者が増加し、SNSマーケティングの重要性が増してきたのです。しかし、SNSマーケティングは従来のマーケティング手法と比べて大きく異なる点が多くあります。

この記事では、SNSマーケティングがこれまでのマーケティングとどのように異なるのか、その特徴や重要性について事例を交えて解説します。SNSマーケティングの手法についても紹介しているので、是非参考にしてみてください。

目次

そもそもSNSマーケティングとは?

SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)とは、FacebookやTwitter、Instagram、LineなどのSNSを活用したマーケティングのことです。自社商品の認知向上やブランディングなどを目的に行なわれます。

SNSの普及とともに、多くの企業がSNSマーケティングを意識するようになりました。

なぜSNSマーケティングが大切なのかデータとともに解説

具体的にどのような点でSNSマーケティングが大切なのかデータを参照しながら解説します。SNS利用の現状を知り、SNSが私たちの生活の一部になっていることを知っておきましょう。

SNSが幅広い世代に浸透した

総務省は情報通信サービスの利用状況などについての調査報告書「平成30年通信利用動向調査ポイント」を2019年5月に公開しました。報告書のデータでは、80歳以上を除くすべての世代でSNSの利用割合が上昇していることが読み取れます。

SNS利用者は元々20代以下の層が中心でしたが、現在は幅広い世代に浸透しているのです。

検索エンジンではなくSNSでの情報収集がメインになりつつある

スマートフォンユーザーに対する「ファッション情報の収集時によく利用するサービスの調査」では、InstagramがGoogleを抜いたことが示されています。

人と違うファッション情報や自分に合ったファッション情報では、まだ検索エンジンの利用率の方が高いものの、SNSでの情報収集が主流となりつつあるのです。

SNSは消費者の行動に直接影響する

JTB総合研究所の「スマートフォンの利用と旅行消費に関する調査(2016)」では、SNSで知った情報で商品を購入するユーザーが増加しており、SNSが消費者の行動にも直接影響を与えるようになったことを示唆しています。

SNSは単なるコミュニケーションツールを超えて、消費者行動を決定する情報収集の場にもなっているといえます。

SNSによる新しい購買プロセスの誕生

SNSによる新しい購買プロセスに、株式会社ホットリンク・飯高氏が提唱した「ULSASS」があります。ULSSASは6つの要素からなり、以下の言葉の頭文字を取っています。

  • U:UGC(ユーザー投稿コンテンツ)
  • L:Like (いいね!)
  • S:Search1(SNS検索)
  • S:Search2(Google、Yahoo!検索)
  • A:Action(購買)
  • S:Spread(拡散)

ULSASSが従来の購買プロセスと異なる最大の点は、従来の購買プロセスにUGCの段階が存在しないことです。UGC(ユーザー投稿コンテンツ)とはユーザーによって生み出されたコンテンツのことで、レビューサイトの口コミなどが代表的な例になります。

ULSASSはユーザーへの認知にUGCを活用しており、費用対効果に優れている点が特徴といえます。

SNSマーケティングの特徴を把握しよう!

SNSマーケティングは従来のマーケティング手法と特徴が大きく異なります。効果的なSNSマーケティングが行えるよう特徴を把握することが大切です。

企業と個人の間に信頼関係が築ける

SNSでは、公式アカウントやユーザー自身の投稿を通じた、双方向コミュニケーションが可能です。フォロワーとのコメントやDMでのやり取りにより、企業と個人の間に信頼関係が築けます。

こうしたつながりと共感を得ることが、自社の利益に直結するのです。

情報の拡散によるムーブメントが起きやすい

SNSの普及とともに情報拡散の流れには大きな変化が生じています。従来は、テレビやラジオといったマスメディアを起点として人々へ情報が拡散されていました。

しかし、SNSの台頭とともに誰もが情報を発信できるようになり、情報の拡散にもユーザーの口コミなどUGCが大きく影響するようになっています。一度生まれたUGCは自然に拡散していくため、ムーブメントが起きやすいのです。

効果的なSNSマーケティングには、UGCの増幅を重視する「ULSASS」を主軸として施策を実行することが大切といえます。

以下の記事では、SNSを用いた口コミによるマーケティングについて詳しく解説していますので、少しでも興味を持った方はぜひ読んでみてください。

SNSを利用した口コミマーケティングとは?メリット・デメリットも紹介!

ユーザーの本音がわかる

ユーザーはSNS上で商品やサービスに関する意見を発信しています。そのSNS上での発言からユーザーの本音を把握し、自社商品やサービスの改善につなげられるという特徴があります。

アンケートなどの手間をかけずにユーザーの貴重な意見を聞けることは大きなメリットだといえます。

データが得やすく分析がしやすい

SNSでは、自社のアカウントやコンテンツにアクセスしたユーザーの情報は、インサイトですぐに確認し、分析できます。

マーケティングを成功に導くには、施策がどの程度ユーザーに響いたかデータを分析・検証し、コンテンツを改善するPDCAサイクルを回すことが重要です。効果測定がしやすく、PDCAサイクルをスピーディーに回せるという点でSNSマーケティングは優れています。

顧客との距離が近い

SNSでは、個人は企業に対して連絡を取りやすいという特徴があります。ユーザーは、DMやいいね、コメントなどで気軽にコミュニケーションがとれるため、顧客との距離が近いといえます。

SNSマーケティングの主な5つの方法と事例

SNSマーケティングには主に5つの方法があります。それぞれについて事例を交えて説明します。

公式アカウント運用

公式アカウント運用とは、自社のアカウントを作成して運用することです。SNSマーケティングにおいて最も基本的な方法であり、自社に興味を持ったユーザーの受け皿としての役割があります。

公式アカウントの育成を意識することが高い成果を上げることにつながります。

活用事例

生活用品を販売する無印良品のLINE公式アカウント(@muji)は登録者数が450万人以上に達しています(2021年2月時点)。

ユーザーには、登録者限定のお得な商品情報を受け取れるなどのメリットがあり、定期的な情報発信がユーザーの購買行動につながっています。

SNS広告

SNS広告はネット広告の一つであり、Instagram、Facebook、TwitterなどのSNS上で配信する広告のことです。ターゲティング精度が高く、潜在顧客にリーチしやすい点が特徴です。

活用事例

虫ケア用品などを販売するアース製薬は、2018年のエイプリルフールにTwitter広告を利用して「らくハピお風呂できのこ栽培」という、架空の製品を発表しました。

それが、タイムライン上で拡散され97万以上のインプレッションを獲得し、フォロワー増加や認知の拡大に貢献しました。

インフルエンサーマーケティング

ほかのユーザーへの影響力が強いユーザーをインフルエンサーと呼びます。インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーに自社商品などを紹介してもらうことで、商品購入や認知向上につなげられます

活用事例

株式会社サイバーエージェントが提供する音楽配信サービス「AWA」は、HIKAKINとタイアップしています。

タイアップ動画では、総再生数5,797,021 回、いいね数3.5万回、コメント数7,064回を記録(2021年2月時点の数値)しており、サービスの認知向上の成功例といえます。

以下の記事では、最新のインフルエンサーマーケティングについて詳しく解説していますので、少しでも興味を持った方はぜひ読んでみてください。

【2021年最新版】日本のインフルエンサーマーケティングのトレンドを解説!

また、インフルエンサーマーケティングの方法を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

SNSマーケティングの基本!インフルエンサーの活用方法を解説

SNSキャンペーンを打つ

SNSキャンペーンとは、特典を用意し、ユーザーからの投稿を募集する施策です。キャンペーンに応募する過程で、商品やブランドへの認知関心が高まることが特徴です。

活用事例

Nintendo Switchソフト『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』の発表を記念して行われたキャンペーンに「#エブリデイピカブイキャンペーン」があります。

ピカチュウ・イーブイが写るように写真を撮影し、「#エブリデイピカブイ」のハッシュタグをつけて投稿すると、投稿写真でモザイクアートが作られるという企画です。最終的には5340件もの投稿が行われ、同時期に行われたイベント集客にもつながりました。

ソーシャルリスニング

ソーシャルリスニングとは、SNSからユーザーの投稿した情報を収集し、その分析結果をマーケティングに役立てる手法です。

アンケートなどではなく、ユーザー同士や、ユーザーと企業の直接のやり取りから声を吸い上げるため、スピーディーにユーザーの本音を理解できます。

活用事例

「目に優しいグリーンノートを作って欲しい」というツイートを東急ハンズのTwitter公式アカウントの担当者が発見し、販売を開始。結果、約1カ月に3300冊も売れるヒット商品となりました。

代表的なSNSとそれぞれの性質

ここでは代表的なSNSサービスについて解説していきます。自社の目的に合致したSNSを見極めて、マーケティングに導入しましょう。

Instagram

写真や動画の投稿によるビジュアルを重視したサービスです。ユーザーは写真だけを見て好意の判断をしているので、企業からの情報発信でも適切に行えば好意的にとらえてもらいやすいという特徴があります。

Twitter

近況報告や情報収集目的の利用が多い、リアルタイム性の高いコミュニケーションが特徴のSNS。ユーザーが多く、利用者の年齢層も広いため、業種を問わず様々な企業が活用しやすいといえます。

また、「ハッシュタグ」「リツイート」「いいね」といった機能搭載により、拡散力が高いこともポイントです。

Facebook

実名制であり、メッセージ機能が実装されていることから、ビジネスパーソンの連絡手段としても活用されています。

Facebookでは、性別や年齢だけでなく居住地や学歴などを登録するユーザーも多いため、ターゲティング精度が高いことが特徴です。

YouTube

YouTubeは日本でも最大級の動画配信プラットフォームです。動画アップロードサイズの上限が「125GBまたは12時間までのいずれか小さい方」と主要な他のSNSよりも大きく、多くの情報を盛り込むことが可能です。

また、検索アルゴリズムで「良質なコンテンツ」と判断されると、ブラウザの検索結果で上位に表示されることもあり、SEO効果を期待できる点も大きな特徴です。

LINE

Lineでは、Line公式アカウントを活用することで、ユーザーにダイレクトで情報を届けられます。個別でのやり取りが可能なため、ユーザーと企業を結ぶサービスが充実していることが特徴です。ユーザーとの関係構築から購買まで広く対応可能です。

TikTok

TikTokはショートムービーの作成、加工ができるSNSです。事前に用意された音楽と、撮影した動画とを15秒から60秒の動画にまとめられます。2019年には月間利用者数が950万人を超えたと発表されました。

TIkTokはユーザーのエンゲージメント率が高いことが特徴です。ITメディアのTikTokに関する記事によると、TikTokユーザーの21%が動画を見た後に何らかの行動を起こしており、TikTokユーザーの52%がハッシュタグをつけて投稿した経験があると述べています。

SNSマーケティングをする時に注意しなければならない事

SNSマーケティングには多くのメリットがありますが、運用を始める前に注意しておくべきポイントもあります。

自社と商品にあったSNSを選ぶ!

SNSには、それぞれユーザー層や利用方法に違いがあります。適切でないSNSを選択しても、自社商品のターゲットではないユーザーにリーチすることになり、施策の効果は表れません。

SNSマーケティングで成果を出すためには、自社の目的や商品のターゲットとの親和性を考えてSNSを選ぶことが大切です。

目標設定を明確に

SNSマーケティングを漫然とスタートしても効果は出ません。認知度をアップさせたいのか、ユーザーからの好感度を向上させたいのか、目標によって最適な施策は変わるため、明確に設定しましょう。

ユーザーとのコミュニケーションが大切

自社アカウントから情報を発信するだけでなく、ユーザーの反応に合わせて柔軟にレスポンスを返すことが大切です。また、ユーザーも情報を受け取るだけの存在ではなく、情報を発信してくれる存在だということも忘れてはいけません。

SNSは一方通行で情報を発信する媒体ではなく、相互のコミュニケーションが重要視される媒体なのです。

良くも悪くも情報がよく広がる

SNSでは、良い情報だけでなく悪い情報も広く早く伝わります。一度情報が拡散されると拡散を止めることは困難なので、炎上させないような予防と対策を講じることが大切です。

運用にはかなりの労力がかかる

SNS運用を専門とした人員を割かなければなりません。効果を出すためには頻繁な更新や、手法の勉強などが求められます。運用にはかなりの労力が必要となるのです。

企業によっては、そもそも運用のノウハウがない場合もあるかと思います。どうしても自社での運用が困難であれば運用代行サービスに頼ることも一つの手です。

本記事では、Follopのinstagram運用代行サービスをおすすめしています!

圧倒的な運用実績から生み出された独自のノウハウ1万人のインフルエンサーなどFollopのサービスでしか得られないメリットが沢山あります。初心者には難しい分析や時間のかかる作業までを代行してくれるため、お手軽にinstagramを運営することができます。

まずはどのようなことができるのか下のリンクから見てみましょう。

Instagram運用にお困りではないですか? Follop

Follop」は、企業様のSNS運用をご支援しています。

  • 自社が抱える1万人のインフルエンサーの中からブランドに合った運用代行者を選定可能
  • 100社以上の伸びているSNSアカウントの独自分析による最速でフォロワーを増やす企画力・実行力
  • 満足度90%という驚異的な数字

など、Instagram運用に力を入れたい企業様におすすめの運用代行プランを提供しています。

運用に必須のノウハウなど、無料で情報を提供しておりますのでまずは資料をお求めください。

まずは無料で資料を請求してみる

※公式ページに遷移後、「資料請求はこちらから」にてご連絡ください。

長期的な運用と分析が何より大切!

成果を出すためには、長期にわたって継続した運用が大切です。アカウントへのアクセス数やリーチ数、フォロー数など、あらゆる数値を分析してコンテンツを改善していくことが成功の近道といえます。

SNSマーケティングの勉強におすすめな本を紹介

SNSマーケティングを学習するには、セミナーに参加するという手段もありますが、まずはSNSマーケティングに関する本を読むことをおすすめします。SNSマーケティングを体系的に勉強するのにおすすめな本を3冊、ご紹介します。

デジタル時代の基礎知識『SNSマーケティング』

最新の動向を交えつつ、SNSマーケティングに役立つ知識を幅広く説明してあります。SNSの基礎知識からコンテンツの作り方と分析、炎上対策まで、運用に必要な知識がこの一冊で身につきます

SNSに疎い初心者の方だけでなく、すでにSNSを運用している方にも参考になる本です。

SNSマーケティングのやさしい教科書。

SNSマーケティングの基礎知識を網羅した一冊。

代表的なSNSの特徴や使い方、SNSマーケティングの分析、改善と幅広く触れられており、突然企業のSNS担当に任命された方やこれからSNSを始める初心者の方におすすめな本です。

起業家・フリーランスのためののための「ブログ・SNS集客」の基本

Web活用アドバイザーである筆者がブログやSNSの活用術について紹介しています。

各種SNSのメリット・デメリット、活用方法について実例を用いて説明されており、初心者の方や「SNSやブログを始めてみたが、どのように情報を発信すればよいのかわからない」と悩む方に最適な一冊です。

まとめ

SNSマーケティングはこれまでの手法と比べて大きく異なる点があり、新しい考え方やノウハウが必要なことは、ご理解いただけたかと思います。

  • そもそもSNSマーケティングとは?
  • SNSマーケティングが大切な理由
  • SNSマーケティングの特徴
  • SNSマーケティングの主な5つの方法と事例
  • 代表的なSNSとそれぞれのマーケティングに関する性質
  • SNSマーケティングをする際の注意事項
  • SNSマーケティングの勉強におすすめな書籍

これからの時代は、利用者に愛されるマーケティングであることが大切になります。この記事を参考に、愛されるマーケティング活動を実践してみましょう。